eスポーツ

eスポーツって儲かるの?儲からないの?を考察。

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去年あたりからムーブメントとして起こり出しているeスポーツ旋風。2018年にアジア競技大会でのeスポーツデモンストレーションを皮切りに業態問わずeスポーツへの参入を表明しています。

我らがアカツキもLPEというeスポーツリーグ運営に参入していて、株価も反応するほど。

じゃあ、eスポーツって実際儲かるものなのか、ちょっとだけ考えてみました。

eスポーツの市場規模

総務省のeスポーツ産業に関する調査研究によると、2017年の海外市場規模が700億円、オーディエンスが3億3500万人ということです。

2018年では969億円程度まで上がり、2021年までに1765億円まで伸びていく予想。アカツキの決算資料では2022年までに3300億円にまで伸びるともありました。

またオーディエンスも2021年までに5.5億人にまで増加する予想です。

一方、日本国内の市場規模は5億円以下、オーディエンスも158万人とかなり少なめです。とはいえニコニコ闘会議の白熱ぶりや格ゲーの大会の盛り上がりを見ると興味がない、というより単に認知度が低いだけという風に私は見ています。

それはさておき市場規模としてはだいたいこんなもので、今後数年で爆発的に伸びていく成長分野の領域だということは間違いないでしょう。

eスポーツの収入源

eスポーツも他のスポーツの競技大会と同じような運営体系が考えられますが、一部異なる部分もあります。

1.放映料、アドセンス料

eスポーツはtwitchといったネットメディアを媒介して放映されることでアドセンスや広告収入を得ることが可能となります。(ゲーム配信プラットフォームであるtwitchも全体収入として売上6億ドルを超える巨大メディアでもある。)

2.参加利用料、チケット代

イベント参加者からイベント参加利用料を取ったり、イベント視聴者からチケット代を払ってもらうのも重要な収入源です。後述の「Super League Gaming」リーグ運営収入はイベント参加料がかなり大きなウェイトを占めているようです。

3.パブリッシャーフィー

ゲームパブリッシャーからゲームの利用料として分配されます。ここが通常のスポーツ大会とは異なる部分かもしれません。私もアカツキの決算資料を見て驚いた部分でもあります。

プレイヤー側は、スポンサー料などの収入源や多額の賞金獲得といった部分が収益として考えられます。

つまるところeスポーツは儲かるの?

実際eスポーツは儲かるの?という話ですが、現時点では「儲からない」が正解のようです。

stockclipにてSuper League Gaming」が上場申請したという記事がありました。

「Super League Gaming」とはeスポーツのプラットフォームを運営する企業ですが、2018年の第3Qまでの売上高が64万ドルで営業損失が1130万ドルとのことです。

2017年の売上が20万ドルだったようなのでそれから比べると売上の伸びという意味では非常に感嘆します。

ただ、eスポーツ自体が勃興期にある分野なので儲けるためにやる!という代物ではないのかもしれませんが、先駆者であるSLG社の例を見ても、現時点での収益性は著しく低いと言わざるを得ないでしょう。

eスポーツの日本市場の動き

こちらは正直未知数のところはあります。総務省が報告書を作成している以上躍起になっていますが、出遅れ感があるのは否めません。

また、PCゲームを専売しているDMM gamesの担当の方はPUBGを除いては、eスポーツは日本では流行らないと断言しています。

いろんな企業のサポートありきで日本のeスポーツは勃興し始めていますが、PCゲーによる日本でのeスポーツ定着化は難しいのではないかと個人的に思っています。

もちろん「ぷよぷよ」といった落ちものパズルゲー、「ストリートファイター」といった格闘ゲーム、「ウイニングイレブン」といったスポーツゲームなど日本のタイトルでeスポーツを攻めていくと言うのが側面もありますが、コンシューマー機が発達しすぎている日本ではeスポーツのメインストリームであるPCゲームの普及が考えづらいです。

switchやPS4といったコンシューマー機を題材にしたeスポーツならまだわかりませんが。

成長性を見るか、利益率を見るか

現時点で言えばeスポーツは儲からない事業であり、日本での定着化は難しそう、というネガティブな結論となってしまいました。

ただ、アカツキ社長の塩田さんの言葉を借りるなら「日本で伸びないからといって指を咥えているのはもったいない」と考えています。

予想とは言え、2022年までに全世界で3000億以上の市場規模になるものですし、ソシャゲを考えるともっと伸びていく可能性も十分あるため、利益を度外視しても、日本企業がeスポーツの中心的な立場をとりに行くという姿勢は悪くはないと思います。

シンプルに考えるなら、日本のeスポーツ成長を先んじて取り込んでいくよりは、世界のeスポーツ需要を素直に取り込んでいく姿勢の方が成功確率はたかそうではありますが、どうなっていくでしょうか。

今後のeスポーツ関連の動向は注意深く見守っていこうと思います。

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