2019年は日経平均株価生誕70周年
巷では、某ネズミのキャラクターが生誕90周年ということでいろんなお店でキャンペーンじみたことをやっておりますが、2019年に日経平均株価が70周年を迎えるということをご存知でしょうか。
近代日本経済とともに歩んできた日経平均
終戦後の混乱期、高度経済成長、二度におけるオイルショック、ブラックマンデー、バブル経済、失われた20年、リーマンショック、度重なる震災、とあらゆる意味で近代日本経済とともに歩んできた日経平均株価ですが、歴史は意外と浅く1949年5月16日に現在の統計方式と同じ手法で、東証第1部修正平均株価という名前で算出を開始しています。
厳密には1950年に開始ですが、指数の算出基準の開始日は1949年5月16日となっています。
1985年に今の名称である日経平均株価という名前に変えていますが、統計方式はこの頃から変わっていません。
統計開始当初は176円21銭だったそうです。今と物価水準が異なるため一概に比較できませんが、2018年12月現在で21000円程度ということを考えると120倍上がっていることがわかります。
日経平均は雑魚という人もいますが長い歴史で見ると年率7%以上ある計算で、ダウも年率7%程度の伸びなので実は伸び率だけで見るとあまり変わらなかったりします。
とはいえ、当時は現在のように証券制度が発達はしておらず、いわゆる「指数買い」のようなことはできなかったようです。
Wikipediaを見た限りでは、日経平均株価は現存する株価指数ではダウ平均、S&P500に次いで三番目に古い株価指数のようです。
日経平均株価の過去の歩み
1949年当初の日経平均構成銘柄というのは文献が少なく不明です。
当時の高額納税者のランキングを見るといわゆる足袋屋や繊維、出版といった業界が軒を連ねていた時代(今とは大違い!)でしたので、そういった産業が上位を占めていたのではないかと推測します。
今の日本を作り上げたと言える電機自動車が本格的に勃興し始めるのは、1950年代から60年代にかけてのようです。
私が確認できたのはバブル期の1990年以降の構成銘柄の上位10社でしたので、ご紹介します。
まず1990年の構成銘柄10位。
1.NTT
2.日本興業銀行
3.住友銀行
4.富士銀行
5.第一勧業銀行
6.三菱銀行
7.三和銀行
8.トヨタ銀行
9.東京電力
10.野村證券
上位10社のうち7社が銀行、証券会社ということで、バブルは不動産の話がメインになることが多いですが、こう見ると金融業も凄まじいほどのバブルだったわけですね。
2000年の構成銘柄は以下の通り。
1.NTTドコモ
2.トヨタ自動車
3.NTT
4.ソニー
5.みずほ銀行
6.武田製薬
7.パナソニック(旧松下電器産業)
8.セブンイレブン
9.東京三菱銀行
10.本田技研
ここら辺になってくると今でも顔なじみの銘柄群になってきますね。ちなみにamazonが登場してきたのもこの辺りの時期です。
また、ITバブルにも沸いた頃で、ソフトバンクが一時的にトヨタ自動車の時価総額を超えたのも2000年だったりします。
次に2010年の上位10構成銘柄は以下の通り
1.トヨタ自動車
2.三菱UFJ銀行
3.NTTドコモ
4.本田技研
5.キャノン
6.NTT
7.三井住友銀行
8.三菱商事
9.日産自動車
10.任天堂
上位陣はあまり変わらずですが、任天堂がこの頃上位に入ってきているのは少し驚きですね。3DSの期待値からでしょうか。
そして今2018年
1.トヨタ自動車
2.NTTドコモ
3.ソフトバンク
4.NTT
5.三菱UFJ銀行
6.ソニー
7.キーエンス
8.KDDI
9.アフラック
10.ファーストリテイリング
といった感じになっています。
ソニーやキーエンスといった情報工学系の企業が入っていたり、1990年の金融に振り切った歪んだ銘柄構成よりもかなり健全な状況になっているなという印象があります。
私が考える日経平均株価の今後
私は日経平均の今後にはかなり強気の姿勢です。
確かに目先は米中貿易摩擦や社会保障費の爆増などが社会問題が頻発してきており、先行きの不透明感が増してきています。
しかし、企業の構成銘柄を見ても分かる通り少しずつですが、上位企業の入れ替えが起きて非常にバランスが良くなってきています。
アメリカほどではないにせよ、企業と社会の新陳代謝がなされてきているということです。確実に稼げる企業が上位をつけるようになってきたということです。30年前のバブルの異様さはなく、着実に地に足をついて稼げる企業がたくさん増えてきたということの証左であると考えています。
日経平均上位陣にGoogleやamazonを超えるネットベンチャーやロボ企業、ゲーム企業が風穴を開けてくれることを楽しみに私は待ち続けたいと思います。