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gumi(3903)はオワコンか再生の兆しか? “やばい”と囁かれる背景を一次資料から解明【2025年版】

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gumi(3903)はオワコンか再生の兆しか? “やばい”と囁かれる背景を一次資料から解明

最終更新:2025-09-09

こんにちは。相変わらずゲーム株に振り回され続けている個人投資家です。 最近、投資系のDiscordで「gumi もう終わりじゃね?」って話題が出るたびに、みんなでため息をついてるんですよね。まぁ、株価チャート見たら誰でもそう思うわ…って感じです。ピークだった2021年頃の1,500円から一時200円台まで暴落して、実に株価の85%以上が吹き飛んだ状態です 。もはや別の会社レベル。

でもさすがに「完全終了」って決めつけるのも早いかなと思って、久々にIR資料を読み込んでみました。数字だけ見てると確かにヤバいんですが、まだ息してるっちゃ息してるんですよね。

結論から言うと、gumiはかなり危険な状況にある。でも投資妙味がゼロかというと…微妙なライン。 今回はその辺りを一次情報ベースでダラダラと書いてみます。

そもそもなんで「gumiやばい」って言われてるの?

Google検索で「gumi」って打つと、予測変換で「やばい」「オワコン」「株価」みたいなネガティブワードがズラッと出てきます。まぁ、それだけみんな心配してるってことですよね。 理由はシンプルで、とにかく数字が悪い。株価は高値から90%近く下落しているし(※一時は2024年8月に236円の上場来安値を付けました )、決算も巨額赤字のオンパレード。「あのgumiがこんなことになるなんて…」って感じで、昔を知ってる投資家ほどショックがデカいんじゃないでしょうか。

完全に諦めるにはまだ早いのかも?という微かな期待もあって、今回改めて調べてみることにしました。

gumiの成績表を見てみる

まず直近数年の売上と利益を確認してみました。すると驚くべき下降トレンドが見えます。2022年4月期(※以下、年度は4月期決算)には約189億円あった連結売上高が、2024年には約120億円まで減少し、2025年にはついに89億円ほどにまで縮小しました 。 わずか3年で売上規模が半分以下になっているのは、普通にヤバいですよね。

利益面も悲惨です。2022年4月期は最終赤字約62億円を叩き出し、その後も業績低迷が続きました。2023年4月期こそ暗号資産関連の一時的な追い風でわずかながら黒字転換(純利益約4億円)しましたが irbank.net 、これはまさに薄氷の黒字でした。そして続く2024年4月期は再び約59億円もの純損失 irbank.net を計上し、「結局ダメじゃん…」と市場の失望を買ったわけです。

営業利益も同様で、2024年4月期は約50億円の営業赤字 。ゲーム事業の不振で事業採算が大きく悪化したことが要因です。

直近の2025年4月期決算を見ると、売上はさらに減少したものの、営業利益3.7億円・経常利益21億円・純利益20.6億円と劇的なV字回復による黒字転換を達成しています note.com 。一見明るい材料ですが、内訳を読むと手放しでは喜べません。この黒字化は主に暗号資産評価益約11.7億円の計上や、不採算タイトルの撤退・子会社売却によるコスト削減効果によるもので、いわば構造改革と金融収益に救われた形です。主力のゲーム事業そのものは相変わらず赤字体質から抜け出せておらず、売上減少にも歯止めがかかっていません 。つまり、数字上は黒字でも「中身」はまだまだ全然ダメというのが正直なところです。

一方で、財務面だけは意外としっかりしていて自己資本比率は約70%と盤石。借入金も減少傾向で、現金も約60億円(現預金残高)を持っています 。「明日倒産」という状況ではないので、その点は唯一の安心材料かもしれません。もっとも、赤字が続けばキャッシュもいずれ底を突くので楽観はできませんが…。

なぜここまで落ちぶれたのか

ヒット作が出ない問題

一番の問題は、やっぱり新しいスマホゲームのヒット作が全然出ていないこと。昔の『ブレイブ フロンティア』や『ファントム オブ キル』のような大当たり以降、ここ数年は目立った成功例がありません。

スマホゲーム業界って本当に厳しくて、ヒット作が1本あるかないかで会社の命運が決まっちゃうんですよね。gumiもその典型例で、過去の栄光にすがりながらも新しい柱を立てられずにいる印象です。実際、2024年4月期の大赤字も、満を持して投入した新作『アスタータタリクス』(2023年8月配信開始)が大コケして約51億円の損失を出したことが大きな要因でした。

正直、開発力がゼロなわけじゃないと思うんです。でも市場のニーズを読むのが下手になったのか、IP戦略やグローバル展開もイマイチうまくいっていない印象があります。「これだ!」というキラーコンテンツを生み出せないまま、時間だけが過ぎてしまった感じですね。

NFTバブルに踊らされた投資

もう一つ見逃せないのが、ブロックチェーン・NFT分野への過度な投資とその失敗です。gumiは2021年前後のWeb3/NFTブームで関連企業やトークンにかなり積極的な投資を行い、「Web3の先駆者!」みたいにもてはやされました。しかしその後の暗号資産相場の崩壊で評価損や出資先の不振が相次ぎ、大きなダメージを受けました。

実際、2022年4月期に約62億円もの最終赤字 irbank.net を出した背景には、暗号資産バブルの崩壊による投資損失や減損処理も少なからずあったと考えられます。その後も投資事業は低迷し、「ちゃんとリスク管理してよ…」と株主が嘆く結果になってしまいました。

株価の惨状

そんなこんなで株価は長らく惨憺たる状況でした。2021年には提携や新事業への期待で一時1,500円近くまで買われたgumi株ですが、その後は坂道を転がるように下落。前述のように2024年には200円台前半まで落ち込み、ピーク比で85~90%吹き飛ぶという壊滅的な暴落を経験しました sbisec.co.jp 。

私の周りでも、gumi株を持っていた人たちは次々と損切りして姿を消しました。市場からの信頼を取り戻すのは相当大変だと思います。 ※ちなみに2025年に入ってから株価はやや持ち直し、記事執筆時点では600円前後まで戻しています minkabu.jp 。とはいえピークの半分以下ですし、これは暗号資産市況の持ち直しや仕手的な思惑が絡んだ動きで、事業の実力で評価された上昇とは言い難いでしょう。

それでも復活の可能性はあるのか?

新作ゲームに賭けられる?

gumiも手をこまねいているわけではなく、現在も複数の新作ゲームを開発中とされています。2025年内にリリース予定のタイトルはジョジョが本命でしょうか。ブレフロLEGIONは2025年7月にリリースしていますが、鳴かず飛ばず。これまでも「今度こそは!」と期待しては裏切られる…の繰り返しでまさに狼少年状態というか。「今度のジョジョ新作こそ本当に当たるのかな?」という疑念は拭えません。

とはいえ、スマホゲーム業界の怖いところは、どんなに開発費をかけても当たるかどうかは蓋を開けてみないと分からないこと。逆に言えば、一発ヒットが出れば状況はガラリと変わる可能性もゼロではありません。gumiの運命も、結局は次のヒット作次第なんでしょうね。

Web3事業は無駄になったのか

ブロックチェーン投資で一度大きくコケたgumiですが、皮肉なことに2025年4月期はそのブロックチェーン関連事業が業績を牽引しました。不採算ゲームから撤退してコストを削減しつつ、ノード運用やトークン収益などブロックチェーン等事業が前年同期比で増収増益を達成し、黒字化に貢献したのです。加えて暗号資産の価格上昇に伴う評価益も得て、財務改善にもつながりました。

もっとも、これはあくまで相場環境に恵まれた結果であり、再び暗号資産市況が悪化すれば収益源として当てにするのは危険です。ただ、ブロックチェーン領域での技術蓄積や業界とのコネクションがgumiに残ったことは事実です。もし今後Web3ブームが再来するようなことがあれば、今度こそ上手く立ち回れる可能性も…ないとは言い切れません。

他社と比べてどうなの?

同じく業績不振に苦しむゲーム会社としては、DeNAやKLabなどもよく比較に挙がります。DeNAはポケポケの大復活によりゲーム部門がかなり勢いがあります。

DeNA: スマホゲーム事業は低調でしたがポケポケにより鰻登りの回復。プロ野球チーム運営やヘルスケア、ECなど多角化しており収益源が分散しています。最悪ゲームがダメでも他でカバーできる余地があります。

KLab: 一時期の勢いは無いものの、『ラブライブ!』など固定ファンのいるIPゲームでなんとか食いつないでいます。また版権ビジネスや他社との協業で延命策を図っています。

gumi: 自社オリジナルIPのモバイルゲーム依存度が高く、代替収益源が乏しいのが痛いです。ブロックチェーン事業に活路を見出そうとしているとはいえ、ゲームと比べて規模が小さいこともさることながら、かなり不安定な分野です。 このように逃げ道が少ない状況で、新作ゲームまでコケたら…と考えると正直かなり厳しいですね。想像するだけで胃が痛くなります。

一次情報から読み解くgumiの未来

最新決算短信からの重要ポイント

最新の2025年4月期決算短信・説明資料を読み解くと、いくつかのポイントが浮かび上がります。 業績動向: 売上高は89億円と前年比-25.9%の大幅減収でしたが、営業利益は3.7億円の黒字に転換、経常利益21億円・最終利益20.6億円と巨額赤字からV字回復を果たしました。ただし前述の通り、この黒字化は暗号資産評価益や有価証券売却益など一時的要因によるところが大きく、主力ゲーム事業の縮小で売上減少に歯止めはかかっていません。 経営方針: 川本社長のコメントや説明会資料によれば、今後は「選択と集中」による経営資源の再配分と、「開発効率の向上」による収益体質改善が強調されています。具体的には、採算の悪いゲームタイトル・子会社から撤退してコストを削減し、ブロックチェーン領域など成長が見込める事業にリソースを振り向ける方針です note.com 。これまでの「ヒット狙いで手を広げる戦略」を見直し、より堅実に利益を出せる領域へシフトしようとしているわけですね。 業績予想: gumiは事業環境の変化が激しいことを理由に具体的な業績予想を非開示としています。数字のガイダンスはありませんが、2026年4月期に税引前利益25~40億円という内部目標を掲げており(決算説明資料より)、かなり強気な成長ストーリーを描いているようです。この目標修正には市場も少し驚きましたが、言うからには相応の自信と裏付けが経営陣にあるのかもしれません。 リスク要因: 決算資料で示されているリスク要因としては、 ゲーム市場の競争激化によるヒット不発リスク 開発費高騰・開発期間長期化による採算悪化 暗号資産価格変動や関連法規制による投資事業の不確実性 などが挙げられています(2024年4月期決算短信より)。要するに、「ゲームもブロックチェーンもハイリスクだから気をつけてね」ということですね。

将来の成長ドライバーは何か?

現時点で明確に「これが伸びシロ!」と言えるものは正直見当たりませんが、強いて挙げるなら以下の3つでしょうか: 新作ゲームの大ヒット – これが出ればすべてが解決します。ただし可能性は未知数で、博打要素が強い。 ブロックチェーン事業の拡大 – ノード運用やトークンエコノミーなどで安定収益源を育てられれば強みになります 。外部環境(暗号資産市場)の影響を受けやすい点には注意。 徹底したコスト削減による継続黒字化 – 攻めの成長ではなく守りの戦略ですが、少なくとも財務の悪化を防ぐことはできます。既に希望退職募集や子会社売却などで固定費圧縮に動いており、一定の効果は出ています。 どれも決め手に欠ける感は否めませんが、経営陣としては「ゲーム×金融の二刀流で再成長を目指す」方針を掲げています。新作ゲームとブロックチェーン事業、この両輪がうまく噛み合えばワンチャンあるかもしれない、というところでしょう。

結論:冷静な投資判断のために

「オワコン」リスクは確実に存在 ここまで見てきた数字や状況を見る限り、gumiが置かれた状況はやはり厳しいです。新しいヒット作が出なければジリ貧になる可能性は高いし、ブロックチェーン事業も外的要因でコロコロ変わる不安定さがあります。「オワコン」と言われても仕方ない状況にあるのは事実でしょう。 特に、ゲーム事業におけるIP力の弱さ・収益源の乏しさを考えると、今後も苦戦は避けられません。売上規模は年々縮小し、会社としての存在感も薄れつつあります。

ただし、完全に諦めるのも早計 一方で、gumiにはポテンシャルの種も残ってはいます。 一定の開発力とIP: 過去にヒットを飛ばした実績はあるので、ゼロから当てる力が皆無とは言えません。版権物ではなくオリジナルIPで勝負できた強みは本来貴重です。 健全な財務体質: 繰り返しになりますが自己資本比率は約70%と高く、有利子負債も多くありません 。手元資金にもまだ余裕があり、大きな投資をしなければ数年は耐えられるだけの体力はあります。 Web3分野での先行経験: バブルに振り回されたとはいえ、その過程で業界ネットワークやノウハウは蓄積しました。SBIホールディングスや海外有力企業との提携・ファンド組成など、他社にはない布石も打っています。 総合すると、「絶対に復活しない」とも言い切れないのが悩ましいところです。宝くじ的な要素もありますが、何かの拍子で化ける可能性がゼロとは言えません。

投資家にとって重要なこと

では、仮にgumiに投資するとしたら何に注意すべきか。個人的には以下の点を冷静にチェックし続けることが重要だと思います: 新作ゲームの市場反応 – リリースされたタイトルの売上ランキングやユーザーレビュー、初動の盛り上がりを注視。ここがコケると厳しい。 四半期ごとの業績推移 – 黒字転換が一時的なものではなく継続できているか。特にゲーム部門単体の収支改善に注目。 キャッシュフローの動向 – 営業キャッシュフローがマイナスからプラスに転じるか note.com 。黒字でも現金が減っているようだと要警戒。 経営戦略のブレ – 方針がコロコロ変わったり、大型増資や巨額投資などリスクの高い動きをしないか。発表IRや社長コメントを確認。 感情的な期待や絶望ではなく、数字とファクトに基づく判断を心がけましょう。gumiの場合、良くも悪くも暗号資産など外部要因に振り回されがちなので、客観的な視点を失わないことが大切です。

個人的な見解

私自身は現在gumi株を保有していませんし、積極的に買い向かう予定もありません。やはりリスクが高すぎると判断しています。 ただし、万が一にも次の新作が大ヒットした場合や、ブロックチェーン事業が軌道に乗った場合の上昇ポテンシャルは大きいとも感じています。なので「ウォッチリスト」には入れて動向を追い続けるつもりです。チャンスが来るとすれば一瞬だと思うので…。 投資は自己責任。gumiについては特に慎重な判断が必要ですが、だからこそ一次情報をもとにした冷静な分析が重要だと改めて感じています。