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30代の資産運用、凡人サラリーマンが8年かけて見つけた『最適解』

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30代の資産運用、凡人サラリーマンが8年かけて見つけた『最適解』
INVESTING / PORTFOLIO

30代の資産運用、凡人サラリーマンが8年かけて見つけた『最適解』

著者:くー 更新日:2025-08-20 目安読了:8分

こんにちは。30代後半、ごく普通のサラリーマンの私です。投資の世界に足を踏み入れて、早8年…。正直、最初の頃は「ポートフォリオって、結局どれが正解なんだよ!」と、夜な夜な頭を抱えていました。ネットには情報が溢れかえっていて、何を信じればいいのか分からない。結局、自分で試行錯誤するしかなかったんです。ですが、最近ようやく「これだ…!」という自分なりの“最適化”が見えてきました。今回は、その備忘録として、私がたどり着いた結論をシェアしようと思います。同じように将来のお金に悩むあなたの、道しるべになれば幸いです。

【結論】30代の資産運用、答えは。

30代はまだ「時間」という最強の武器がある。だから、株式多めの強気な姿勢が正解です。ただし、これだけは絶対に守ってください。生活費の半年分は、何があっても現金で確保しておくこと。これが、退場しないための鉄則です。

私が実践していること(4つのルール)

私が実践していることは、驚くほどシンプルです。

  1. 目的を明確化する。(意外とこれができていない人が9割)
  2. 自分のリスク許容度を直視する。
  3. コア8割:サテライト2割。この黄金比を守る。
  4. 年に1回、感情を捨てて機械的に見直す。

税金対策?NISAから埋めるのは当然。iDeCoは老後の保険。課税口座は、あくまで“おまけ”です。

この記事は、こんな“あなた”のために

30代で投資に興味はあるけど、何から手をつければいいか分からない…。かつての私と同じように、将来への漠然とした不安を抱えているサラリーマンの方。家のローン、子供の教育費…状況は人それぞれでしょう。ですが、資産形成の“本質”は、誰にとっても同じはずです。

お金の使い道は3分類

お金の使い道は、だいたいこの3つに分類されるはずです。

  • 5年以内: 家の頭金、車の購入など、短期決戦の資金
  • 10-15年後: 子供の学費という、人生のビッグイベント
  • 20-30年後: 国をあてにしない、自分のための老後資金

大前提:生活費6ヶ月〜1年は現金

大前提として、生活費の6ヶ月~1年分は、投資に回してはいけません。これは、どんな投資のプロでも守っている絶対のルール。これを破れば、相場から一発退場です。

今さら聞けない「コア・サテライト戦略」の真実

投資本を開けば必ず出てくる、この言葉。難しく考える必要はありません。要は「守りの資産」と「攻めの資産」に分けなさい、というだけの話です。

コア(資産の8割):鉄壁の守り

ここは、あなたの資産の土台。全世界株式やS&P500のインデックスファンド一択です。なぜなら、手数料が圧倒的に安く、世界中に分散されているから。これ以上、合理的な選択肢はありません。

  • eMAXIS Slim 全世界株式
  • eMAXIS Slim S&P500

この2つが私のポートフォリオの核です。比率は6:4。これが、私が見つけた黄金比です。

サテライト(資産の2割):遊び心という名の攻め

ここは、少しだけスパイスを加える部分。自分の知識や興味を活かして、リターンを狙います。私が仕込んでいるのは、

  • 成長株(売上高の継続成長と単価経済性の改善が見込める企業)
  • 目安:売上成長率YoY15%以上、粗利率の上昇トレンド、営業CFの増加、過度な希薄化なし
  • ルール:分割でエントリー、1銘柄はサテライト内で最大50%、決算で仮説が崩れたら機械的に縮小

為替リスクについて

為替リスクを気にする声も聞こえてきそうですが、長期で見るなら、それは“誤差”です。短期で使うお金以外は、気にする必要はありません。

私のポートフォリオ、3つの型を“こっそり”公開

もちろん、すべてNISA口座を最優先で使います。非課税メリットを最大化するのは、投資の基本中の基本です。

パターン1:安定重視(守りを固めたいあなたへ)

株式60% / 債券25% / REIT5% / 金5% / 現金5%
数年以内に大きな出費の予定がある方向け。正直、私はこのパターンを使いませんが、手堅くいくならこれしかありません。株式の中身は、米国3割、先進国1.5割、日本1割、新興国0.5割。債券は先進国債券か国内債券。教科書通りの、鉄壁の布陣です。

パターン2:標準(私の基本形。迷ったらコレ)

株式80% / 債券10% / REIT5% / 金3% / 現金2%
これが、私が8年かけてたどり着いた最適解。株式は米国4.5割、先進国2割、日本1割、新興国0.5割。このバランスが、リスクとリターンのスイートスポットだと断言します。リバランスは年1回、12月に実行。感情が入る余地はありません。ルール通り、淡々とこなすだけです。

パターン3:成長重視(リスクを力に変えるあなたへ)

株式90% / 金5% / REIT3% / 現金2%
債券はほぼゼロ。株式の比率は米国5.5割、先進国2割、日本1割、新興国0.5割。20代の私がやっていた、攻撃的なスタイルです。若さと時間があるなら、この戦略も十分に有効です。

目的が変われば、戦略も変わる。当たり前ですよね?

家の頭金(5年以内)

安定重視をベースに、さらに債券を増やすべきです。株式は5割以下。これは絶対です。

子供の教育費(10-15年後)

標準パターンでOK。子供が高校生になる頃から、徐々に債券比率を上げて、リスクを減らしていきます。

老後資金(20-30年後)

標準から成長重視で。全世界株式に投資して、あとは“放置”です。これが、凡人が最も効率よく資産を増やす方法です。

凡人だからこそ、「買い方」のルールが命綱になる

積立

毎月、決まった額を自動で積み立てる。感情を挟むな。ボーナスが出たら、少しだけ追加する。ただ、それだけです。

下落した時

目標配分から5%以上ずれたら、それは“買い増し”のサインです。恐怖で売るのではなく、冷静に買い向かう。これができるかどうかで、将来の資産は大きく変わります。

給料が上がった時

増えた手取りの何割かを、自動で積立額に上乗せする。生活レベルを上げてはいけません。一度上げたら、二度と戻せないからです。

見直しは“イベント時”と“年1回”だけでいい

定期メンテナンス

年1回、12月。配分がずれていたら、機械的に戻す。それ以上でも、それ以下でもありません。

ライフイベント時

結婚、出産、転職、家の購入。リスク許容度が大きく変わる時です。その時は、必ず立ち止まって戦略を練り直してください。

口座の使い分けは、もはや“常識”です

NISA(最重要)

コアの全世界株式とS&P500は、まずここに。非課税の恩恵を最大限に受ける。これが、賢い投資家の第一歩です。

iDeCo(使えるなら)

老後専用。途中で引き出せないことを、メリットと捉えるべきです。

課税口座

サテライトの遊び場、そして調整役です。

身近で起きた失敗談(あなたへの警鐘です)

生活費に手を出した友人

コロナショックで、生活費まで投資していた友人が退場しました。言うまでもありませんが、投資は余剰資金でやるものです。

流行りのテーマ投資に踊らされた過去

私も一時期、クリーンエネルギーだのに手を出しました。気づけば、ポートフォリオはギャンブルそのもの。危うく、資産を溶かすところでした。

「もう少し…」が命取りになるリバランス

「もうちょっと上がりそうだから」と、リバランスを先延ばしにする。その“欲”が、失敗の元凶です。ルールは、絶対に守らなければなりません。

始める前の最終チェックリスト

  • 生活費の半年分は、本当に確保しましたか?
  • 「何のために、いつまでに」を書き出しましたか?
  • コア8割、サテライト2割の黄金比になっていますか?
  • NISA口座から、ちゃんと使っていますか?
  • リバランスのルールは、明確に決めましたか?

最後に…行動しない限り、何も変わらない

完璧なポートフォリオなど、存在しません。私も、全世界株式100%から始めて、失敗を繰り返しながら、今の形にたどり着きました。30代には、まだ「時間」があります。多少の失敗は、いくらでも取り返せる。だから、悩みすぎる前に行動してください。まずは、少額からでも始める。それが、未来を変える唯一の方法です。

投資は自己責任で。この記事は、あくまで一個人の見解です。最終的な判断は、ご自身でお願いします。

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