損切りは必要なのか。
よく投資本なんかで10%損をしたら機械的に損切りしなさいと指南しているのを見かけます。
反対に利益に対しても、同じように10%利益が出たら機械的に利益確定せよというのもよく見かけます。
本当に利益確定や損切りという行為は正当化すべきなのか
例えば、スタートトゥデイを10年前に5000円で買っていたとします。
それが途中4500円になってしまったからといって損切りをして売ってしまったり、5500円になったから利益確定したとします。
しかし、ZOZOのその後の値動きを見てみると数年待っていれば、その数倍以上の利益を得ることができ、さらに配当を得ることもできますし、なんなら貸株までしていれば貸株金利も得ることができたはず。
じゃあまた途中から入ろうと思って入ることが本当にできるのか?最初買った時にどうしてその銘柄を選んだのか、何を見て買ったのかを冷静になって考えてみるべきです。
株価が急落したりすると機会損失だ!と言って、ポジションを簡単に解消する人がいますが、そもそもキャッシュコントロールが適切にできていないから機会損失になるだけなのでは?と。
利益確定か損切りか。長期でも報われないこともある。
とはいえ、長期間をかけたところで資産を増やすことに繋がらない場合もあります。
NTTがいい例で、IPO時1989年に買ったとして、2017年に30年間の配当込みでようやっと買値を超えました。つまり1989年に30歳でNTT株を買ってしまった場合、60歳まで値が戻らなかったというわけです。
NTT株の場合、IPO時PERが100倍近くあったと言われており、インフラ企業がそのような高PERが評価されるということは普通に考えてあり得ないので、異常な状態が是正されるまでには時間がやはり相応かかるということです。
また、企業が倒産してしまえば株価は0になってしまいます。そのため、『長期投資は必ず利益になる』とは言えず、まさに機会損失となってしまいます。
しかしこれは極端に株価の評価が高い銘柄や財務状況がひどい銘柄を選択しないように気をつけさえすれば、問題はないでしょう。
今年のように市況が荒れている時こそ冷静になって考えるべきでしょう。
長期的な視野に立って投資はすべきですし、安易な損切りや利益確定は本来得るべきであった利益を享受できなくする可能性があるということを我々はきちんと理解する必要があります。