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【新NISA】開始早々100万円損して「気が狂いそう」という声が出た理由

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【新NISA】開始早々100万円損して「気が狂いそう」という声が出た理由

最終更新:2025年9月13日カテゴリ:NISA / 投資心理

こんにちは。最近、投資系のSNSや掲示板を見ていると、こんな投稿をよく目にします。

「新NISA始めたばかりなのに、もう100万円以上損してる…気が狂いそう」

鳴り物入りでスタートした新NISA制度。「お得しかない」「やらない理由がない」と散々言われていたはずなのに、なぜこんな悲鳴が上がっているのでしょうか。

今日は、新NISAで大損してしまう人の典型パターンと、その心理的なダメージについて考えてみたいと思います。

新NISAで損失が発生する典型パターン

パターン1:一括投資の高値掴み

「早く始めないと機会損失!」と焦って、制度開始と同時に数百万円を一気に投入。ところが、その直後に相場が下落…即座に大きな含み損を抱えてしまうパターンです。

特に高値が続いているので「今が買い時」と思って飛び込んだ人も多かったのではないでしょうか。

パターン2:集中投資の罠

「成長株」「AI関連」「半導体」など、話題のテーマ株に集中投資して、セクター全体の調整に巻き込まれるパターン。

新NISAは年間360万円まで投資できるので、「せっかくだから」と大きく勝負に出た結果、大きく負けてしまうケースですね。

パターン3:短期視点の落とし穴

本来、新NISAは「長期・分散・積立」が前提の制度。なのに、数ヶ月、数週間で結果を求めてしまい、含み損に耐えられなくなってしまうパターンです。

なぜ「気が狂いそう」になるのか

1. 金額の重さ

100万円って、やっぱり大きいですよね。年収の何分の一、何十分の一という額を失うのは、精神的にキツイものがあります。

特に投資初心者の方だと、「お金が減る」ということ自体に慣れていないので、余計にショックが大きいのかもしれません。

2. 期待とのギャップ

「新NISAはお得しかない」 「やらない理由がない」 「国が推奨する制度だから安心」

こんなポジティブな情報ばかり聞いていると、まさか大損するとは思わないですよね。期待が大きかった分、現実とのギャップで精神的ダメージが倍増してしまいます。

3. 損益通算できない制度の残酷さ

従来の特定口座なら、A株で100万円の損失、B株で50万円の利益があれば、差し引き50万円の損失として扱われます。

でも新NISAは、利益には税金がかからない代わりに、損失も税務上はなかったことになるんです。

つまり、新NISA口座で100万円損しても、特定口座の利益と相殺できない。これ、意外と知らない人が多いんじゃないでしょうか。

新NISA、実は危険な制度でもある

ここで声を大にして言いたいのは、新NISAは万能な制度ではないということ。

むしろ、投資行動を間違えれば、従来よりも大きなダメージを受ける可能性があります。

税制優遇の落とし穴

    • 利益が出れば税金ゼロ
    • でも損失が出ても税務上の救済はありません

この非対称性を理解せずに「とりあえずNISAで儲ける」で始めると、痛い目を見ることになります。

「長期・分散・積立」を無視するリスク

金融庁が推奨している投資の基本原則を無視して、短期集中投資をすると、新NISAは途端に危険な制度に変貌します。

年間360万円という枠の大きさが、逆に「大きく勝負したい」気持ちを煽ってしまうのかもしれませんね。

読者の皆さんへ

もしこの記事を読んでいる方で、「新NISA始めたいけど怖い」「すでに損失で心が折れそう」と思っている方がいるなら、それは正常な感覚だと思います。

まず長期的な視点を持つことが重要です。短期的な相場の値動きに一喜一憂していると、精神的に疲れてしまいます。一時的な下落があったとしても、長期的に見れば回復する可能性は十分にあります。

具体的な解決策をいくつかご紹介します

1.「ほったらかし」運用を検討する

「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」や日経225の投資信託のような、インデックスファンドに積立投資をする方法です。

    • 様々な株式に分散投資できるため、特定地域や為替の変動リスクを抑えられます
    • 「何を買えばいいかわからない」という初心者の方にもピッタリ

2. コア・サテライト戦略を試す

資産の一部を比較的リスクの低い商品(コア)で堅実に運用し、残りをリスクの高い商品(サテライト)で運用する方法です。

例えば:

    • コア(80%):全世界株式インデックスファンド
    • サテライト(20%):個別株や高リスクファンド

成長投資枠を活用して個別株に挑戦したい場合でも、精神的な安定を保ちやすくなります。

3. 投資の目的を再確認する

「何のために新NISAを始めたのか」を改めて考えてみましょう。

    • 老後資金のため?
    • 子どもの教育費のため?
    • マイホーム購入のため?

漠然とした不安を解消するためには、具体的な目標設定が有効です。目的がはっきりすれば、短期的な値動きに惑わされにくくなります。

4. 専門家に相談する

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)や金融機関の窓口に相談してみるのも一つの手です。

専門的な知識を持つ人に話を聞いてもらうことで、不安を軽減できるかもしれません。「こんなこと聞いていいのかな」と思わず、気軽に相談してみてください。

特に、「満額投資しなきゃもったいない」という強迫観念は捨てた方がいいです。月1万円の積立でも、長く続けることの方がよっぽど大事だと個人的には思います。

まとめ

新NISAで「100万円損して気が狂いそう」という声が出るのは、制度への過度な期待と、投資の基本原則を無視した行動が原因だと思います。

新NISAは確かに素晴らしい制度ですが、万能ではありません。正しく使えばチャンスになるし、間違って使えば精神を壊すほどのリスクにもなり得ます。

この記事を読んでくださった方には、100万円の損失を「他人事」だと思わず、制度の落とし穴に足を取られないよう注意していただければと思います。

投資は自己責任。でも、正しい知識と冷静な判断で、きっと味方にできるはずです。

皆さんの投資ライフが、健全で持続可能なものになることを願っています。

※この記事は個人の見解であり、投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。