住宅ローン金利選択の悩み:変動VS固定、インフレ時代の賢い選択とは【2025年版】
住宅ローン金利選択の悩み:変動VS固定、インフレ時代の賢い選択とは
はじめに:誰もが悩む金利選択の問題
こんにちは!マイホーム購入を検討している皆さん、住宅ローンの金利選びで悩んでいませんか?
私も数年前にマイホームを購入する際、「変動金利にして浮いたお金を投資に回したら?」というアドバイスを受けて、めちゃくちゃ悩みました。確かに魅力的に聞こえるけれど、本当にそれで大丈夫なの?と不安になりますよね。
今回は、最近のインフレ傾向や金利上昇の可能性も踏まえながら、住宅ローンの金利選択について私なりに整理してみました。同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
住宅ローン金利の基本をおさらい
まずは基本から確認していきましょう。住宅ローンの金利って、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2つがありますよね。
変動金利って何?
変動金利は、名前の通り金利が変わるタイプです。基本的に半年ごとに見直しがあって、世の中の金利情勢に合わせて上がったり下がったりします。
ただし、急に返済額が跳ね上がらないよう、2つの安全装置があります:
- 5年ルール:金利が変わっても、実際の毎月返済額は5年間据え置き(多くの商品で採用例はありますが、一律ではありません)
- 125%ルール:返済額の見直し時も、前回の1.25倍までしか上がらない(商品ごとに条件差あり・要確認)
これらのルールがあることで、短期的な急激な負担増は避けられますが、金利が大幅上昇した場合は「利息ばかり払って元金が減らない」という怖い状況になる可能性もあります。
固定金利の安心感
一方の固定金利は、決められた期間中は金利が変わらないタイプ。フラット35のような「全期間固定」と、「当初10年固定」のような「期間選択型」があります。
金利変動の心配がないので、返済計画が立てやすく、精神的にも楽ですよね。
2024年以降のインフレ傾向を考える
ここからが重要なポイント。最近の経済情勢を見ると、日本でも物価上昇が続いていますよね。私の感覚でも、スーパーの食材やガソリン代、電気代など、確実に値上がりしています。
インフレが住宅ローンに与える影響
インフレって、実は住宅ローンにとって複雑な影響を与えるんです:
- 金利上昇圧力:インフレを抑えるため、中央銀行が金利を上げる可能性
- 実質負担の軽減:物価が上がると、固定額の借金の負担感は相対的に軽くなる
- 収入への影響:インフレで給与も上がれば、返済負担率が下がる可能性
- 変動金利(優遇後):概ね 0.52〜0.70%(例:三菱UFJ0.595%、りそな0.640%)
- フラット35(21〜35年/9割以下・新機構団信付):最も多い金利 1.87%
- 銀行の全期間固定(35年の代表例):概ね2%台中盤〜後半の水準
2025年現在、日銀は2024年にマイナス金利を終了し、2025年1月に政策金利の誘導目標を「約0.5%」としています。これまでの超低金利時代が終わり、金利の上昇リスクには引き続き注意が必要だと感じています。
現在の金利比較(2025年8月)
代表的な金利水準の“現在値”だけを比較したシンプルな棒グラフです。細かな条件で実際の適用金利は変わる点にご注意ください。
※各社条件・属性により実際の適用金利は異なります。
「変動金利+差額投資」戦略を検証
さて、本題の「変動金利にして、固定金利との差額分を投資に回す」戦略について考えてみましょう。
具体的にどのくらいの差額が生まれる?
2025年8月現在の金利水準で試算してみると:
- 変動金利:0.52〜0.70%程度
- 固定金利(35年・銀行の全期間固定の代表例):概ね2%台中盤〜後半
- フラット35(21〜35年):最も多い金利 1.87%
例えば3,000万円借入の場合、毎月の差額はおおよそ2万円前後〜(条件による)。この金額を投資に回すという発想ですね。
投資戦略のメリット
うまくいけば、確かに魅力的です:
- 月2〜3万円を年利4〜5%で運用できれば、住宅ローン金利を上回るリターンが期待できる
- インフレ対策にもなり、資産価値の目減りを防げる
- 長期積立投資の複利効果で、大きな資産形成が可能
でも、リスクもしっかり考えよう
正直、私がこの戦略で一番怖いのは「金利上昇×投資不振」のダブルパンチです。
インフレが進んで住宅ローン金利が2〜3%に上がった時、同時に株式市場が低迷して投資資産も目減り…なんてシナリオは十分あり得ます。特に2022年のように、インフレと株価下落が同時に起きることもありましたからね。
また、投資には相応の知識と精神的な余裕が必要。市場が荒れた時に冷静でいられるかも重要なポイントです。
「固定金利+安心」戦略の価値
一方で、固定金利の安心感も捨てがたいですよね。
インフレ時代だからこその固定金利メリット
実は、インフレが進む時代には固定金利の恩恵が大きくなります:
- 物価が上がっても返済額は変わらず、実質的な負担は軽減
- 給与がインフレに連動して上がれば、返済負担率も下がる
- 金利上昇リスクを完全回避できる
特に、(仮に)今後10〜20年で物価が大きく上昇したとしても、住宅ローンの返済額は名目で一定なので、相対的な負担は軽くなります。
精神的な余裕の価値
個人的に思うのは、住宅ローンという大きな借金を抱えながら投資もするって、かなりメンタルがタフじゃないと厳しいということ。
金利変動を気にせず、投資の成績に一喜一憂せず、安心して家族との時間を過ごせる価値って、お金では測れない部分もあると思うんです。
あなたはどちらのタイプ?
結局のところ、どちらを選ぶべきかは個人の状況と価値観次第。以下の質問で自分のタイプを確認してみてください:
変動金利+投資戦略が向いている人
- 投資経験があり、市場変動に慣れている
- 収入が安定しており、今後も増加見込みがある
- 十分な緊急資金(生活費の6ヶ月分以上)を確保している
- 金利上昇リスクを理解し、受け入れられる
- 資産形成を積極的に進めたい
固定金利+安心戦略が向いている人
- 金利変動によるストレスを避けたい
- 確実な返済計画を立てたい
- 投資よりも安定性を重視する
- 家計管理をシンプルにしたい
- 教育費や老後資金など、他の支出予定がある
私なりの結論
正直に言うと、「これが絶対正解」はないと思います。でも、現在のインフレ傾向と金利上昇の可能性を考えると、以下のように考えています:
バランス型のアプローチもあり
例えば、住宅ローンは固定金利で安定させつつ、別途余裕資金でつみたてNISAなどの長期投資を行う。これなら住宅ローンのリスクと投資リスクを分離できます。
または、当初10年固定にして、金利動向を見ながら10年後に改めて判断するという方法も。
大切なのは「継続できる」選択
どんなに理論上優れていても、ストレスで夜眠れなくなったり、家族との関係がギクシャクしたりしては本末転倒。
自分と家族が安心して続けられる選択をすることが、長期的には最も良い結果につながると思います。
最後に
住宅ローンは30年以上の長いお付き合い。インフレや金利変動、自分のライフステージの変化など、様々な要因が絡んできます。
大切なのは、今の状況だけでなく将来の変化も見据えて、「自分らしい」選択をすること。迷ったら、複数の金融機関で相談したり、ファイナンシャルプランナーに相談したりするのも良いでしょう。
皆さんが後悔のない住宅ローン選択をできることを祈っています!